LISA - Life Insurance Surveyor’s Association
2020年12月号
金融仲介業者の参入について
いよいよ対面プランナーを介さないワンストップフィナンシャルの実現が近づいてきました。今年制定された金融サービス仲介業法は来年末までに施行されます、これは日本版フィンテックとも呼ばれ大量の顧客データを持つ異業種からの新規参入によってITアルゴリズムを駆使した顧客体験型マーケティングによる展開が始まると考えられるでしょう。
この新規参入組の主戦場は非対面マーケットとなるでしょうから、対面コンサルティングとは相対することになります。従って生命保険鑑定士®として専門性を訴求する対面コンサルティングマーケットとの棲み分けは十分可能であると考えられます。一方でベーシックな商品を価格やスペックなどで比較推奨する旧来の対面ビジネスモデルは厳しくなるでしょう。ベーシックな商品について、商品戦略の軸足を新金融仲介業者へと移す保険会社も出てくるでしょう。
お客様環境は、感染症、災害、高齢化、経済、所得水準等で変化や格差が拡大傾向です。生命保険鑑定士®には、このような不安を軽減してあんしんをお届けする使命があります。お客様の夢とそのゴールに寄り添い一緒に考え、現状認識と課題を共有できる関係になることが、生命保険鑑定士®の役割責任ではないかと考えます。つまり具体的プランニングや提案前のプロセスをしっかりと区切って、この役割責任を明確にして行動すること、この真摯な姿勢をお客様に感じていただくことが、専門家としての信認へと繋がると確信します。
生命保険マーケットがここ数年縮小している最中、新たなプレーヤーの参入もあり、ベーシックな商品のスペック販売は厳しくなるでしょう。生命保険商品を簡易に享受したい層と、しっかりとコンサルティングを受けたい層とにハッキリと二極化される時代が到来しています。生命保険鑑定士®は競合する他の募集人と差別化されるための努力を惜しまず、保障を概観する専門家としての地位をワンランク高め、地域で確固たる存在となることが必要です。
来年に向け会員相互の情報共有化のしくみ作り、生命保険鑑定士資格のPR、西日本エリアへの展開など、会員のみなさまへのサービスの充実に努めて参ります。
過去のバックナンバーは公式HP: https://lisa-japan.orgからご覧いただけます。