LISA - Life Insurance Surveyor’s Association

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レポート2022年08月02日

生命保険鑑定士情報レポート(生命保険鑑定士FDマスター基本教程)


みなさま益々ご活躍のことと存じます。さて今月号からは、1級生命保険鑑定士FDマスター、生命保険鑑定士基本教程の内容、受講受験等についてお伝えします。

1、FDマスターについて

生命保険鑑定士の根幹をなす理念がFD(フィデューシャリーデューティー:顧客本位の業務運営)の考えをもち顧客と接することです。言い換えると顧客に選ばれ信認される差別化要件としてFDを極めることが重要になっているのです。

生命保険鑑定士は、FDの精神で保障鑑定を行ないます。具体的には意向推定から意向把握、最終的な意向確認までのプロセスでFD精神を発揮し顧客信認を得ていく流れとなります。顧客に対し正しい知識を提供し、情報の非対称性を軽減解消することはFDの原点でもあります。生命保険鑑定士資格は、このプロセスを丁寧に進める適性そして意思と行動が伴う、専門家としての証になるでしょう。

このFDの実践により保険営業の高みを目指すこと。生命保険鑑定士がこの理念を実践していくため、従来からのコンプライアンス知識に加え、FDに関する考えや知識を会得する必要があります。現在「生命保険鑑定士基本教程」の策定を終え、生命保険鑑定士資格新規取得時の受講試験制、1級生命保険鑑定士FDマスター修了証の顧客提示、FDマスター紹介、これらの機能を持つWebサイトの準備も進んでいます。

2、「生命保険鑑定士基本教程」の内容について

生命保険鑑定士がFDの精神で顧客本位の業務を行うことは、顧客に対して高いブランド価値をもたらすと共に、鑑定士にとっても誰のために働くのか?何のために働くのか?これらがより鮮明になることと思います。これらは顧客本位の保険営業の未来図を描く持続的ビジネスモデルとなって、プロフェッショナルとしてのプライドと自分らしい生き方の行動指針にもなることを期待するものです。

このように正しい知識にもとづいた行動が行えるよう、教程では①ルールベースとしての保険募集コンプライアンスの知識と確実な履行、②プリンシプルベースとしてのFD主体的行為者たる行動、これらを学び確認と意思決定することを目的としています。今月はこの一部を抜粋し、2章 鑑定倫理とフィデューシャリーデューティー:①生命保険鑑定士の理念、②FDの意義と本質、について事前公開します。

  • 生命保険鑑定士の理念

生命保険鑑定士の社会的使命と地域貢献: 生命保険鑑定士は顧客本位な生命保険の専門家として知見と経験を最大限発揮し、社会環境、保険商品、販売チャネルの変化と多様化に対応する。そして、研鑽と相互協力を惜しまず使命感を持ち、叡智を結集し豊かな地域社会創りに貢献する。

生命保険鑑定士会との協調と地域貢献: 生命保険鑑定士は生命保険鑑定士会の組織理念を理解し、生命保険の専門家としてFD(フィデューシャリーデューティー)を率先垂範する。顧客から更なる顧客の信認を得て、地域コミュニティーで他者と差別化された地位を獲得する。そして日々研鑽を続ける。

  • FDの意義と本質

金融審議会市場ワーキンググループ: 関係大臣・長官の諮問機関である金融審議会市場ワーキンググループでは、顧客の資産形成に携わるすべての業者においてフィデューシャリーデューティー(顧客本位の業務運営)の徹底が図られるよう、必要な対応について審議提言された。この提言を受け金融庁において「顧客本位の業務運営に関する原則」の公表と普及をすすめている。金融庁は公表後の定着状況を検証しつつ、更なる進展を目指している。

金融庁行政方針: 金融庁は、金融審議会の報告をベースに2014年の行政方針にて、金融事業者として顧客の信認に応えていくために果たすべきさまざまな役割・責任を指し示す言葉として「フィデューシャリーデューティー(FD)」を採択した。2017年にはFDの考えに準拠させた「顧客本位の業務運営の原則」が公表された。各金融事業者においても顧客の最善の利益を追求して行くため、この取り組み方針の策定・公表が進んでいる。

今秋以降、生命保険鑑定士資格新規取得時にはWEBによる教程学習と適性試験を実施します。1級合格者にはFDマスター(専門家)修了を証明しますが、この証となる新たな付加価値を追加するしくみも導入します。なお、すでに1級資格をお持ちの方でFDマスター修了を希望する場合、補習受講いただきますが試験後の判定は特例免除する予定です、今後の展開にご期待ください。

理事長記

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