LISA - Life Insurance Surveyor’s Association

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レポート2022年03月01日

生命保険鑑定士情報レポート(生命保険鑑定士について)


2022年3月

 みなさまいつも大変お世話になっております。感染予防策などで活動が制約される状況が長く続きご苦労されていることと思います。さて、今号から「生命保険鑑定士」についてのご理解を深め、有効にお使いいただくための説明をさせていただきます。
 なお、本会では今後の展開等会員のみなさまへのご案内とサービスを充実させる必要があると考えています。次号以降これらの改善を進めて参る所存です、ご理解くださいますようお願い申し上げます。

(1)生命保険鑑定士資格について
 早速ですが、世間一般の方は「生命保険」にどのようなイメージをお持ちだと思いますか? 続いてお尋ねします、プロフェッショナルのみなさまは「生命保険」にはどのような価値があると考えますか?
ご理解が浅いお客様の声としては「生命保険はよくわからない」「売り込まれるのではないか」などが聞こえてきます。一方で生命保険には「経済的保障」と「心の平和」をお届けするという価値があると思います。残念ながら、このようなことを理解されている一般の方は必ずしも多くないことと思います。生命保険鑑定士は経験と知識を持った専門家としてイメージされ、このようなギャップを埋める役割を担うことが肝要であると考えます。
 ここでみなさまがお使いの名刺をご覧ください。初対面のお客様には名刺をお渡しすると思います、この名刺に1級生命保険鑑定士の肩書が入っている場合と入っていない場合を比べイメージしてください。お客様の第一印象に違いが出るとしたら、どちらのほうが保険を売り込まれそうな印象が薄れますか?生命保険鑑定士資格をお持ちいただく意味は2つあります。①お客様に生命保険の専門家であることがスマートに伝わるようにすること。②専門家であることのプライドを高く持ち、他のセールスパーソンとは違う差別化領域を持つこと。生命保険鑑定士資格にはこのような意味があります。
 生命保険営業従事者の本質的価値は「顧客と持続する信頼関係」であると思います。真の信頼関係とは良い商品をおすすめして喜ばれるだけではなく、生命保険の専門家としての信認を得ることが持続性へとつながるのではないでしょうか。このためにも生命保険鑑定士資格をお使いいただければと思います。(ご参考)本会ホームページ上部のメニューに会員専用があります。ここに登録商標ロゴ等がダウンロードできるようになっていますので是非ご覧ください。

(2)生命保険鑑定の目的
 生命保険鑑定では「なぜこの保障が必要なのか?」論理をもって感情に訴え、お客様に気づきを与えていただくため、プランニングや提案に入る前の大切なプロセスであるとご理解ください。ベテランのみなさまは今までも意識され実践していることと思いますが、よりくっきり明確に示すよう「生命保険鑑定士による専門領域」として捉えることが肝要でしょう。
 さて、みなさまは「情報の非対称性問題」をご存じでしょうか?お聞きになった方も多いと思いますが、この問題について少し掘り下げておきます。金融商品等では売り手と買い手の間に知識格差があります、このギャップが大きいと売り手本位の歪んだ販売が起きやすいとされています、そして買い手の不信感にもつながります。金融商品取引法の「適合性の原則」や「事前説明の義務」は、この非対称性問題の解消も意識されています。
 生命保険鑑定士は、お客様への提案や保険提案に入る前に知識差を埋めてもらうため、保障の要不要やその優先劣後づけの理解を手助けする役割があります。そして「情報の非対称問題」解消に努めることは、その後のセールスプロセスへの移行もスムーズになるのではないでしょうか?
 次号ではさらに深堀りしていきます。・公正な情報提供を行う意義 ・情報の非対称性と解消への課題 ・生命保険鑑定の意義とそのプロセス ・顧客が保障を概観できるようになる意義 などの解説をさせていただきますので次号も是非ご一読ください。

(3)昨今の法人販売を取り巻く環境について
 過去、損金話法により一部の商品販売が過熱してこれを是正すべく通達改正が行われて来ました。しかしながら、改正後も一部の会社での名義変更話法などによる販売が問題視されている記事が新聞や専門誌に掲載されています。行政も検査や報告徴求命令による実態把握を進めるようです。
 このように法人販売の是正が進んで行く状況下、生命保険鑑定士の在り方について触れておきます。企業の中に潜むさまざまなリスクを把握しておくことは経営者にとって欠かせないことです。しかしながら、日常の売り上げ、納期、品質、資金繰りに意識が偏り、リスクマネジメント思考が後回しになっている企業経営者も少なくありません。実際は企業経営そのものがリスクマネジメントの連続であり、意識せずとも経常的なリスクは回避、低減するような行動をとられていることと思います。
 ここで生命保険鑑定士の役割としては、さまざまなリスクの中に潜んでいる「純粋リスク(必要保障)」を経営者に気づいていただく事であると考えます。この「純粋リスク」とは経常的な努力では回避できなない万一のリスクで、社長の死亡や就業不能状態などが発生した場合会社、家族、社員、取引先などへ緊急かつ重要な影響を及ぼすものです。経営の要である経営者の純粋リスクについては、①まず問いかけて直感的な考えを聴く事、②次に論理的に診断して提示する事、③最後に感情に訴え意思決定いただく事、
 これらは前号でも取り上げています、今こそこのプロセスを是非進めていただきたいと思います。

理事長記

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