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レポート2021年09月01日

生命保険鑑定士会情報レポート 2021年9月号


2021年9月号

生命保険鑑定士会情報レポート

 みなさまこんにちは。コロナウイルス感染が蔓延する状況で、治療法やワクチン情報など様々な情報がSNSで拡散されています。これらには学術的根拠に基づいた情報から少し怪しい情報までが混在しています。専門知識を持たない一般人は正しい情報を見つけ出すことがそう簡単ではないように感じます。
 さて、このような現象が起きる本質的な問題として「情報の非対称性」があげられます。いわゆる専門分野は、一般人には体系的理解や経験則が乏しく専門家との知識情報格差が大きくなります。このような格差は利益相反を生み出すリスクがあり、顧客本位や情報の非対称性解消といった課題を伴います。今回は「情報の非対称性」と生命保険鑑定士の役割に触れたいと思います。

(1)「情報の非対称性」解消に貢献すること
 売り手と買い手に著しく不均衡な情報格差があると、歪みが利益相反性を生じさせて販売の健全さを失うとされています。このような状態を「情報の非対称性問題」といいます。消費者にとって日常的に目に触れて購買している商品は、経験則があるため一定の判断力が働いて「情報の非対称性問題」はあまり起きません。一方で日常的に目に触れにくい商品やサービスは「情報の非対称性問題」が起きやすくなります。顧客本位の姿勢が希薄な営業パーソンが無形で複雑な商品を販売しようとすると利益相反を起こしがちです、つまり売るために都合の良い情報を示し、不都合な情報は控えがちになる傾向があります。これを「情報の非対称性問題」といいますが、このような状態の解消に努めることは専門職業人としての使命ではないかと思います。
 生命保険は保障性と貯蓄性を兼ね備え、商品によっては投資性も持ち合わせる無形で複雑な商品です。しかも一般的なお客様は金融や保険の専門知識が十分ではありません。お客様は、自身と家族にとって課題や問題点は何か?これらの準備策として必要な保障や貯蓄の優先劣後は?さらに保険商品の要不要は?これらの疑問を解消するためには、顧客本位を貫く専門家を探してアドバイスを受ける必要がありますが、これを誰にお願いするのが良いのか迷うところです。
 生命保険鑑定士は、顧客本位を貫き情報の非対称性解消に努め、一般人の疑問を解消させることを使命とした専門職業人ではないかと思います。これが生命保険鑑定を販売と切り離してすすめる理由です。生命保険鑑定士は、まず保障鑑定として想いや夢をお聴きしてそのための課題を共有します。そしてこれらの準備策を示して優先劣後づけしながら生命保険鑑定をすすめます。お客様本位の姿勢で真のニーズをしっかりと見つけて課題を共有してから、解決策を優先劣後づけして提示する。このプロセスを丁寧に行うことが共感と信認を得るのではないでしょうか。生命保険鑑定士は「生命保険鑑定®」「保障鑑定®」などを通じ顧客本位の姿勢で活動し、情報の非対称性解消に努めることが肝要です。

(2)保障鑑定®を情報の非対称化解消にお役立てください
 保障鑑定は生命保険鑑定の前半部分のプロセスです。まだ保障ニーズが明確になっていないお客様に対して生命保険の専門家が情報提供と情報共有をすすめる顧客本位な活動です。お客様に夢や想いをお聴きし、希望や要望を丁寧にインタビューします。このニーズシェアリングについては、価値観や想いの強弱そして現状も踏まえ進めてください。保障鑑定は保障ニーズの濃淡を明確化してお客様と共有するプロセスです、是非認定生命保険鑑定士®による保障鑑定®を専門資格ブランドで行ってください。

a.万一の際残された家族が経済的困窮を未然防止するための死亡保障
b.老後の経済力を確保するための資産形成、生存保障と資産運用保全
c.疾病や災害などによる経済的打撃を軽減するための医療や就業不能保障
d.教育や住宅購入などの目的達成に対する資金準備、生存保障と資産運用
e.次世代への想いの継承のための相続診断と終身保障や資産運用保全

 保障鑑定でニーズの優先劣後づけが進みましたら、生命保険の優先劣後づけを行う生命保険鑑定へと進めてください。

(3)資格検定試験計画について
 今後、生命保険鑑定理論の体系化と資格検定試験導入を予定しています、この目的は資質第一主義にて生命保険鑑定士資格のステイタスを客観的に高めることです。ベースとなる生命保険鑑定士標準課程と研修カリキュラムは、検定制度構築実績のある専門委員により検討執筆作業を進めています。当面は紹介推薦者認定を優先します。将来試験制度導入後も既会員への再試験等は行いません。是非ご紹介をよろしくお願いいたします。ご希望者はホームページにアクセスして手続きを行っていただけます。

                                                                以上

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