LISA - Life Insurance Surveyor’s Association
2021年6月号
みなさまこんにちは。長引くコロナ禍の終息が見えてきませんが創意工夫しながら活動していることと思います。歴史を遡ると長い周期で度々大変革が起きています、「産業革命」「明治維新」「戦後の民主化」、度々起きる「金融危機」などです。今回は「パンデミック」がゲームチェンジャーとなり大きな変革をもたらすと思います。一方で不変な価値、この原理原則というものもあります、いつの世も人々が求めているのは「心の平和」ではないでしょうか。生命保険鑑定士には「心の平和」をもたらす専門家の役割があります、顧客から信認される専門家ブランドとして価値を高めるため、本会も有効策を着実に実現して参ります。
1、生保新契約の大幅な減少
日本経済新聞(5月27付)によると、2021年3月期の新契約年換算保険料はこの2年間で4割強減少しているとのことです。この問題の本質は少子高齢化による社会構造のひずみが原因と考えられますが、細分化して考えると保障の必要性について気づかずに意識格差が広がっていることも原因のひとつであると考えられます。この背景として知識や教養を得る機会で格差の広がりが影響しているかもしれません。
対面販売での新契約の減少は、物理的な行動制限に伴い「不要不急」なことを先送りする風潮が強まっていることも原因の一つです。ここで「必要不急」なことまで先送りしてしまってはいけません、社会的不安が増加しているからこそ「心の平和」を得たい欲求は強まっています。「必要不急」と「不要不急」を混同してしまっている方も少なくないと思います。
お客様は信認できる専門家を求めています、生命保険鑑定士から「保障鑑定®」で必要不急を示され気づきを得ることが肝心なのです。緊急ではないが本人と家族のため重要な「保障と保険」について、顧客と対面してこの要不要を話し合う機会を作る意義は大きいものです。真っ向から臨む姿勢でデジタルも融合して、信認をより確かなものにすることが肝要です。
2、保障鑑定案内パンフレット・標準課程テキストの制作
前号で案内の通り制作が進んでいます。登録商標「生命保険鑑定®」「生命保険鑑定士会®」に続き、特許庁から「保障鑑定®」の商標登録を取得しました。これにあわせて、資格認定者が使える「保障鑑定®」の案内パンフレットを来月完成目途で制作し、案内する予定です。また、生命保険鑑定士標準課程テキストも専門資格にふさわしい内容で編集作業を進めています。登録者には研修と合わせ今秋目途に先行案内します、今後の展開にご期待ください。
(付録)保険契約等に関する権利の評価(所得税基本通達改正案公表)について
4月号で「(付録)法人定期保険契約の評価改正の考察」を掲載しました。4月28日この通達改正案が公表されました、概ね予想通りの内容となっています。2年前に発遣された改正法人税基本通達9-3-5の2改正通達に準じて、所得税基本通達36-37(保険契約等に関する権利の評価)を改正するもので、以降の契約が今回改正通達の対象となろうかと思います。
改正通達発遣にあたっては、契約が対象となるか注意しておく必要があります。
①令和元年7月8日以後加入した契約で、同3年7月1日以後名義変更したもの。
②法人が復旧可能な払済保険への変更時に洗替処理した損金算入額は評価額に加算する。
③法人から法人への名義変更評価額も、所得税基本通達類推適用として見直しの対象とする。
今後パブリックコメント募集を経て確定させ、6月末通達発遣に至るものと思われます。
生命保険鑑定士のみなさんは今回の事例をよく考察しておくことで、基本的な考えやその根拠の理解を深めていただきたいと思います。これからもお客様へ不確定な勝手解釈を用いた提案等がなされていないか、客観的に観る眼を一段と養っていただければ幸いです。
以上